ブログblog

最後の追い込みは絶対的に国語!ー入試前の中3特講で。

県立入試までの最終調整の日々、土日は毎週特講をしてきたけれど、やはり国語に取り組んでいる。
中学レベルの国語はとうの昔にやり終えている。
今日、取り組んでいるのは、彼らが入学を希望している高校の教材としても扱われていた、角田光代のある随筆である。
この随筆は私も大好きで、読むたびにとんでもなく感動する。
そして、かつて高校時代の筆者が放課後のケーキを我慢して買って読み、大学の卒業旅行でふらっと立ち寄った古本屋さんでそのタイトルの本と出会って、確認してみたら自分が所有していた本だった、という展開。帰国するときには荷物の関係でその本を手放した。当然のように社会人になり、取材を終え立ち寄った本屋さんでまたその本と出会う。
そのたびに高校生のころに読んだストーリーは違ったものだったということがわかり、執筆や編集に携わった筆者には新たにその内容が発見される。いつもその文章の向こうに高校生の自分が見え隠れする・・・。

そういうこと、私にもよくある。海外に及ぶようなことはないにしても、偶然がそのことに対してだけ働くというような。それも私の場合は予感もあったりするから、尚のことよくわかる。
いや、よくわかるなんて言ってはいけない。
人の体験がわかるなんてこと、あるだろうか?

とかなんとか考えながらも、ああ、国語って、なんというおもしろい教科なのだろうか?と人生において何度目かに思わされる。
こんな文章とこれからも出会っていくのだなあ。彼らは。
そして、その出会いをできることならちょっぴり色濃いものにしてほしいものだと願う。
サラッと読めば、どうってことないおもしろい話になってしまう。まるで自分の身には起こりそうになくて、もしかしたらその作家の作り出した虚構かもしれないくらいに薄い関心でもって、読んでしまうかもしれない。
でも、ああ、そういうこともあるかもしれないなあ・・・、と思いながら、仮に理系に進んだとしたら、その学びに、あるいは一歩進んで研究に役立つだろうし、何より生きることの不思議さを学ぶことにつながると思う。

受験は受験。
でも、受験以上の何かがあるのもまた国語の問題との出会いであると思いながら解説している。

公開:2023/03/04 最終更新:2023/03/04
ページトップへ