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成功体験の大切さ

ご本人が、出してもいい、と言ってくれて、また、ちょっと嬉しそうだったので、許可をいただいて、成績を掲載させていただいております。

英検2級合格を目指しておられる高校に通っておられる生徒さんがいます。
チェリーの指導とは関係なく、ご自分で勉強して数回不合格となっておられました。
英検2級を受験していることを知ったのは、最後に受験した回の不合格を知ったときでした。
お父様から、今までの経緯をお聞きしているうちに、ああ、このまま不合格のままではいけないなあ、と思い、授業でことさら、ではなくても指導を入れなければ(すみません。生活指導上がりの教師は、ついつい指導を入れる、という表現を使ってしまします(笑))、と思いました。

一次試験のときは、ある程度指示し、ライティングの指導をしました。私は、昔から、なぜか英作文が得意です。なぜか、というのもおかしなもので、難しい文章を日本語であらかじめ簡単な表現にするのが得意なので、関係代名詞などの、下手すれば主語がどこだか明確にならないような表現を避けて、思い切りシンプルに表現するのが得意なだけです。(笑)
一次試験での指示をちゃんと聞いて、その通りに勉強が進んでいたのかどうか、お父様はちょっと怪しがっておられました。非常に真面目な彼女が手を抜くはずはないと思っていたものの、ふん?とちょっとおかしいな、と思い始めました。前回の一次試験に合格したお友だちが、「2,3日しか勉強せんで合格したー。」とおっしゃっていたらしく、「努力は報われるのか?」議論にまでなっていたようでした。
お父様は、「詰めが甘い。」と再三言っておられましたが、目の前の彼女がサボっている様子はありません。○○やった?と訊ねると、○○回やりました!と元気な声が返ってきます。
一次試験が終わって、どうも自信がなさそうでした。
まあ、大丈夫だろうと思ってはいたのですが、合格でした。しかし、辛くも合格、という感じでした。

二次試験対策の頃には、徹底的に指示を出しました。
テストも課しました。
しかし、どうも忠実に私のしたほうがいい、と言っていることを守っている様子がなく、ああ、このことか、お父様のおっしゃっていたことは!と思い、前日に、○○だけはマスターしておくように、それができるまでは帰らないでね、と指示しました。
私のテストを完璧にして、これができたら、必ず自信を持って答えられるから、ということはしてもらって、送り出しました。

自信がありそうではありました。
結果が出ました。合格!
初めて一次試験に通った試験で二次試験まで合格でした。
粗々のネットでの成績表を見て、一次試験の成績は何?あなた、逃げてたでしょ!と叱られる彼女。でも表情はとても明るかったのです。
その夜は、ご家族で、シュークリームとエクレアでお祝いしたそうです。こちらまで嬉しくなってくるようなほのぼのとした光景が目に浮かびました。

次の日、彼女に渡された成績表をつくづくと見てみて、びっくりしました。
一次試験は、本当にぎりぎり。
二次試験は準一級レベルでした。

学校の先生もこんな成績見たことない、と驚いておられた二次試験の結果でした。
褒めていいのか、ちょっと・・・。

結局、今までどこかで逃げていたのだと思います。
もちろん、時間を掛けて勉強はしている。
でも、どこか、苦手なところを見ないようにして、そこはないことにして、得意なところを一生懸命やっていたのだと思います。
私は受験数日前にそのことに気付きました。
そのことを何度かお父様に注意されながら、教師としても、なかなか見抜くのが難しい面もありました。

大学受験前に、彼女が一つ、大きな成功体験をしてくれたことがとても嬉しいのです。
それから、メールで、お電話で、彼女のことを必死で考えておられるお父様と、いろいろやり取りしたそのときどきを思い出します。
お父様は、合格、不合格よりも、彼女の笑顔が見たい。楽しく過ごしてほしい、とお嬢さんの人生を一生懸命考えておられました。

親御さんの愛情は、お子さんの成長に、何よりもの栄養になるのだなあ、と思った次第です。

公開:2019/07/19 最終更新:2019/07/19
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